今回は多くの方が悩まされている「椎間板ヘルニア」について、どんな人がなりやすいのか、そして整体的アプローチでヘルニアになりにくい体づくりについてお伝えします。
腰痛で悩んでいる方、デスクワークが多い方、運動不足の方は特に参考にしてみてください。
椎間板ヘルニアって何?簡単に解説
まず基本的なことから。椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にあるクッションの役割をする「椎間板」が、何らかの原因で飛び出してしまう状態です。
この飛び出した部分が神経を圧迫することで、腰痛だけでなく、足のしびれや痛みなどの症状が現れることがあります。
椎間板は日常的な動きの衝撃を吸収してくれる大切な組織。年齢とともに水分量が減少し、弾力性が低下していくため、適切なケアをしないと思わぬトラブルの原因になってしまいます。
こんな人は要注意!ヘルニアになりやすい人の特徴

1. 長時間同じ姿勢を続ける人
デスクワークが多い方や、長時間の運転をする職業の方は特に注意が必要です。
同じ姿勢を長時間続けることで、特定の部位に負担がかかり続け、椎間板に過度の圧力がかかります。
特に前かがみの姿勢は腰への負担が大きいんです。
2. 重いものを持つ機会が多い人
建設業や介護職など、重いものを持ち上げる機会が多い方もリスクが高いです。
特に腰を曲げたまま重いものを持ち上げる動作は、椎間板に大きな負担をかけます。
3. 運動不足で筋力が低下している人
背骨を支える筋肉が弱いと、日常的な動作でも椎間板に余計な負担がかかります。
特に腹筋や背筋が弱い方は、体幹が安定せず、腰への負担が増大します。
4. 肥満の人
体重過多は腰への負担を直接的に増やします。
BMIが25を超える方は、標準体重の方と比べて椎間板ヘルニアのリスクが約1.5倍高くなるというデータもあります。
5. 喫煙習慣のある人
意外かもしれませんが、タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、椎間板への栄養や酸素の供給を妨げます。
これにより椎間板の健康維持が難しくなり、弾力性が失われやすくなります。
6. 姿勢が悪い人
日常的に猫背や反り腰などの不良姿勢を続けている方も要注意です。
正しくない姿勢は、背骨のアライメントを崩し、特定の部位に過度の負担をかけます。
整体的アプローチでヘルニアになりにくい体づくり

では、椎間板ヘルニアを予防するために、整体的な観点からどのようなことができるでしょうか?
1. 正しい姿勢を身につける
整体では、まず姿勢の改善から始めます。
- 座るときは背筋を伸ばし、お尻を椅子の奥までしっかり入れる
- デスクワーク中は30分に1回は立ち上がり、軽くストレッチする
- スマホやパソコンを見るときは、画面を目線の高さに調整する
2. 体幹の強化
背骨を支える筋肉群(インナーマッスル)を鍛えることで、椎間板への負担を軽減できます。
- プランク:体をまっすぐに保ったまま、肘と爪先で体を支え、30秒から始めて徐々に時間を延ばしていく
- ブリッジ:仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げる動作を10回
- バードドッグ:四つん這いになり、対角線上の手と足を同時に伸ばす動作を左右10回ずつ
3. 柔軟性の向上
硬くなった筋肉は動きを制限し、特定の部位に負担をかけます。特に、ハムストリングス(太もも裏の筋肉)の柔軟性は腰の健康に大きく関わります。
- 朝起きてすぐと入浴後は体が温まっているのでストレッチに最適
- 反動をつけずにゆっくりと伸ばす
- 呼吸を止めないよう意識する
4. 日常生活での動作改善
整体では日常的な動作の改善も重要視しています。特に腰を使う動作には注意が必要です。
- 持ち上げるものに近づく
- 膝を曲げて腰を落とす
- 背筋を伸ばしたまま、足の力で持ち上げる
- 物を体に近づけたまま運ぶ
5. 定期的な整体施術を受ける
セルフケアに加えて、定期的に整体施術を受けることで、背骨のアライメントを整え、筋肉の緊張を緩和できます。
- 背骨のゆがみ調整
- 筋膜筋肉調整
- 骨盤矯正
- 姿勢分析と改善アドバイス
6. 質の良い睡眠の確保
睡眠中は椎間板が水分を吸収して回復する大切な時間です。
- マットレスは硬すぎず柔らかすぎないものを選ぶ
- 仰向けや横向きで寝る場合は、首と腰のカーブを支える枕やクッションを活用する
- うつ伏せ寝は腰への負担が大きいので避ける
ヘルニアの予防は日常の小さな積み重ねから

椎間板ヘルニアは、一度なってしまうと完全に元に戻すことが難しい疾患です。だからこそ、「なってから治す」より「ならないように予防する」ことが大切です。
整体的な観点では、体は全てつながっているという考え方があります。
足の裏のアーチが崩れると、膝や腰、さらには首まで影響を及ぼします。つまり、体の不調はどこか一か所だけの問題ではなく、全身のバランスの乱れから生じるものなのです。
日々の小さな心がけ—正しい姿勢で座る、定期的に体を動かす、重いものを持つときは腰ではなく足の力を使う—こういった習慣が、長い目で見ると大きな違いを生み出します。
また、痛みや違和感を感じたら我慢せず、早めに専門家に相談することも重要です。早期発見・早期対応が、重症化を防ぐ鍵となります。
まとめ:健康な背骨は健康な生活の基盤
椎間板ヘルニアになりやすい人の特徴と、整体的アプローチでヘルニアになりにくい体づくりについてご紹介しました。
背骨は文字通り体の「背骨」となる部分。その健康は、日々の生活の質に直結します。
デスクワークが増え、運動不足になりがちな現代社会だからこそ、意識的に背骨の健康を守る習慣を取り入れていきましょう。
「背筋を伸ばす」「定期的に立ち上がる」「適度な運動を取り入れる」—これらの小さな習慣が、将来の大きな痛みを予防してくれます。
最後に、整体の施術は対症療法としてだけでなく、予防医学としても非常に有効です。定期的なメンテナンスで、健康な体を維持していきましょう。
健康は「治す」ものではなく「保つ」もの。その基盤となる背骨の健康を、日々のちょっとした心がけで守っていきましょう。
